kintoneは組織内だけでなく組織外の人ともコミュニケーションを取るツールとして活用できますね。
異なる組織(取引先など)と使用する場合はドメインを分けずに一つのドメインで「マルチテナント化」することができます。
「マルチテナント」って何でしょうか?
マルチテナントとは、一つの建屋(ドメイン)に複数の会社が所属しているシェアオフィスのようなものです。ドメインが同じため、アプリやスペースを共有することができます。
- 「組織間のアクセス権」を使うことで同一ドメインでマルチテナント化できます。
- 「組織間のアクセス権」を有効化すると、最上位組織が同じユーザー間でのみ、お互いのプロフィールや組織情報を閲覧できるようになります。
- 「グループ(ロール)」は全ユーザーに公開されます。
- 「グループ(ロール)」を使わない理由は他組織のユーザーに見せたくないからです。
kintoneの「組織間のアクセス権」とは
kintoneを使えば、自分の会社だけなく取引先など別の会社の人とコミュニケーションを取ることができます。
それぞれの会社でkintoneドメインを契約し、ゲストスペースでコミュニケーションを取るという方法もありますが、同一ドメインに複数の会社が所属することもできます。
同一ドメインであれば、同じアプリやスペースを共有することができますし、ドメイン単位で発生するプラグインや連携サービスの費用を抑えることができます。
しかし、同一ドメインで運用する場合、自社の組織情報や社員情報が取引先の全てのユーザーから見えることは避けたいというケースもあるはずです。
そこで「組織間のアクセス権」の機能を使います。
組織間のアクセス権を使えば、組織を分けた上でお互いのユーザー情報(プロフィールや組織情報)を非公開にすることができます。
組織の基本についてはこちらの記事で紹介しました。
ここに取引先であるライフ株式会社が入ってきたとします。
組織間のアクセス権を有効化すると、最上位組織が同じユーザー間でのみ、お互いのプロフィールや組織情報を閲覧できるようになります。
上図の場合、黄色塗りの「ユアキン株式会社」と「ライフ株式会社」が最上位組織となります。
山田さんと中村さんは支社は異なりますが、最上位組織が同じ「ユアキン株式会社」であるため、お互いのプロフィールを閲覧できます。
プロフィールを閲覧できるということは、コメント欄で宛先指定をしたり、検索時の絞り込み条件でユーザー選択することもできます。
一方、山田さんと小林さんは最上位組織が異なるため、お互いのプロフィールを閲覧できません。
加えて、お互いの会社の組織情報も閲覧できません。
コメント欄やスレッドで宛先指定をしたり、検索時の絞り込み条件でユーザー選択することもできません。
投稿者を見ても下図のように「表示できないユーザー」と表記されるため、誰なのか分からないようになります。
先の組織構成ではユーザーの所属組織が完全に分かれてしまっているため、会社間でのやり取りができません。
そこで、情報交換する必要があるユーザーだけを集めて同じ組織に所属させるようにします。
例えば「共有」という組織を作り、そこにお互いの会社から情報交換できるユーザーを所属させます。
これによりユアキン株式会社の山田さん・中村さんとライフ株式会社の小林さん・松本さんの最上位組織が同じ「共有」になったため、お互いのプロフィールが見えるようになります。
グループ(ロール)は非公開不可
組織間のアクセス権により、組織は非公開にすることができると分かりました。
しかし、グループ(ロール)は制御することができません。
「組織とグループの基本」でお伝えしたかったグループをできるだけ使わない理由がここにあります。
ユアキン株式会社が作ったグループをライフ株式会社に見せたくない。
例えば「ユアキン持株会」「ユアキン採用担当」など、その会社にしか関係ないグループを作っても相手方に見えてしまいます。
しかし、これを非公開にすることができません。
そこで、このようなものもグループではなく、組織として作ることをおすすめします。
どうしてもグループにしたい場合は、ユーザーにできるだけ見えないように、あるいは見られても構わないグループ名を付ける工夫をします。
勿論、グループ名をオープンにして全く構わないというものは、そのままで良いでしょう。
- 「組織間のアクセス権」を使うことで同一ドメインでマルチテナント化できます。
- 「組織間のアクセス権」を有効化すると、最上位組織が同じユーザー間でのみ、お互いのプロフィールや組織情報を閲覧できるようになります。
- 「グループ(ロール)」は全ユーザーに公開されます。
- 「グループ(ロール)」を使わない理由は他組織のユーザーに見せたくないからです。
組織間のアクセス権を使えば、同一ドメインで複数の会社間でシームレスに活用できそうですね。
ゲストスペースでの運用も良いのですが、組織や一部APIなど使えなくなる機能があるため、同一ドメインでマルチテナント化することもおすすめです。
複数の会社間で運用する場合はセキュリティ面も考慮して、ルール作りをしておくと良いですね。