【結論】kintoneって使えない?その理由を事例とともに解説

いきなりですけど「kintoneは使えない」ってたまに聞きますよね。

利用シーンによるので一概に否定はできないですが、「当サイトについて」でも述べた通り、kintoneは魔法のツールではないため、苦手なことやできないこともあります。

私たちの経験も踏まえて、そのほんの一部を見てみましょう。

この記事で何が分かる?
  • kintoneにはできることがある一方で、苦手なことやできないことがあります。
  • 機能面と運用面の課題を挙げ、その解決案を提示します。
  • kintoneの前にサイボウズという会社を知るというアプローチもあります。
  • 困った時はお悩み相談できるコミュニティがあります。
目次

kintoneでできること

kintoneでできることは主に以下のようなものがあります。

  • アプリ(プログラミング不要)
  • 情報の蓄積・一覧化・グラフ化・検索
  • ワークフロー
  • 通知
  • コミュニケーション
  • 自由なカスタマイズ(JavaScript / CSS)
  • API連携・拡張プラグイン

文字だけ見てもイメージ湧かないかもしれませんね。

事例はサイボウズさんの公式サイトをご覧いただいた方がイメージが湧くと思いますので、以下をご覧ください。

kintoneでできないこと・苦手なこと

一方でkintoneが使えないと思う原因は、たとえば機能面運用面の二つの側面における課題が考えられます。

以下のようなものです。

機能面の課題

  • サクサク登録できない
  • アプリ内のデータ(レコード)が多くなると動作が遅くなる
  • ユーザー独自の機能が少ない

運用面の課題

  • 登録が面倒になる
  • 他部署での利用が進まない
  • ユーザーの温度差の違い

私も2015年近くkintoneを使っていますが、私の組織だけでなく、クライアントの中にもこのような壁にぶつかるケースがありました(現在進行形のものもありますが)。

kintoneってこれはできるけど、これはできないんだね

kintoneのこういうところ改善できない?

そんな声が上がることもあります。

もう少し掘り下げてみましょう。

機能面の課題

サクサク登録できない

「サクサク登録できない」というのは、例えば「Excel感覚で登録ができない」ということです。

kintoneはサイボウズさんも「脱Excel」を謳っているようにExcelと比較されがちです。

Excel管理からkintoneに乗り換えた方も少なくないでしょう。

しかし、Excelに慣れていると1件1件をサクサクと登録できるようなイメージを持ちがちです。

実際には登録画面を開いては保存する作業を毎回行う必要があります。

このような問題は、連携サービスで解決できます。

krewSheetなどがその一つです。

アプリ内のデータ(レコード)が多くなると動作が遅くなる

レコードの登録や閲覧に関しては、アクセス権や絞り込みの設定を行っていない1つのアプリに、100万件を登録した状態で快適に使用できることを確認しています。

kintone ヘルプ

kintoneヘルプにはこのように記載されています。

気をつけたいのが「アクセス権や絞り込みの設定を行っていない」という点です。

レコードのアクセス権の項目が多かったり、絞り込み条件の項目が少なかったり、フィールド数が多かったりすると表示までの処理が重くなるということが私の経験上もあります。

私は導入から3年でこの壁にぶち当たりました。

とあるアプリで100万レコードに到達したのです。

その後も記録を更新し続けましたが、流石に動作の重さに耐えきれなくなり、これはなんとかしないといけないと焦り始めました。

ここまで来ると何が起こるか。

❌レコード一覧の絞り込み条件によっては表示しきるまで数分かかります。

❌CSVの書き出しにも時間がかかります。

❌レコードのアクセス権を変更してアプリ更新すると完了まで10分以上かかります。
(最長で30分近くかかったことがあります)

極め付きは最後のアプリ更新です。

アプリ更新までの間、レコードの表示・保存ができなくなります(データベースロック)。

アプリ間連携(ルックアップや関連レコード)をしていると更に影響範囲が大きいです。

連携しているアプリまでデータベースロックされます。

導入したてであればこの問題に早々ぶつかることはないですが、使い続ければいつかぶつかる日が来るかもしれません。

それまでにできることとして、バックアップを取り、古いレコードは削除すると良いでしょう。

さらに、定期的にアプリを見直し、使わないフィールドも削除しましょう。

レコードのアクセス権限も可能な限り少ない項数で設定しましょう。

とはいえ、そう遠くない未来にkintoneの基盤やネットワークの進化により改善されると信じています。

ユーザー独自の機能が少ない

レコード一覧について、項目の並び順や絞り込み条件をあらかじめ設定して保存しておくことができます。

一覧画面上のドロップダウンで表示を切り替えることができます。

但し、これを設定できるのがアプリ管理者だけで、加えて、全ユーザー共通の設定となります。

自分だけの一覧を作りたいと思っても現仕様ではできないというのが惜しい点です。

この他にもポータル画面のレイアウトやレコード登録画面の初期値を自分仕様にできないので、この辺りが機能拡張されると、よりユーザーの利便性が上がるでしょう。

とはいえ、ユーザー独自の設定機能も毎月のアップデートで増えてきているので、これらもそう遠くない未来に実現するかもしれません。

運用面の課題

登録が面倒になる

機能面でも述べましたが、Excelなどから乗り換えた場合は、前の感覚を引きずることもあるでしょう。

あるいは、紙文化からデジタル化という場合も抵抗がある人がいるかもしれません。

せっかく業務効率化するためにkintoneを導入しても、それが面倒だと思われたら本末転倒です。

いくつかポイントがあります。

kintoneまで(あるいはアプリまで)の導線を短くする

PCであればデスクトップ、スマホであればホーム画面にショートカットを作成する。

ブラウザのブックマークに登録する。

ポータル画面にアプリへのショートカットを作る。

登録画面の簡略化

入力項目を最小限にする。

アプリを複数に分ける。

レコードの再利用やアクション機能を活用する。

定期的に業務やアプリの見直し

業務フローの一部を削除できないか、簡略化できないか見直し。

アプリに不要なフィールドがないか見直し。

kintoneのアップデートにより改善できる点がないか見直し。

他部署での利用が進まない

私が最初にkintoneを導入したときは、3ヶ月程で組織全体(約200名)へ浸透しました。

経営陣からのトップダウンだったということもあり、良い意味で反発や障壁もなく浸透しました。

このようなケースもある一方で、1つの部署からスモールスタートすることも少なくないでしょう。

私の部署では活用しているが、他部署に提案しても受け入れてもらえない。

非常に勿体ないですよね。

言葉で説得しようとしても難しいかもしれません。

kintoneの良さを知ってもらうためにまずは使ってもらう。

しかし、お試しで使ってもらうことすら難しい場合はどうしますか?

他部署に広めたいということは、あなたにとって何かしらの導入メリットがあるはずです。

kintoneを導入して変わったことを伝えましょう。

  • 部内のコミュニケーションが活発になった。
  • 残業が減った、年休消化が増えた。
  • 業務が効率化した。

より説得力を上げるなら、その効果を数字で示しましょう。

  • 部下からの相談が週1回から毎日1回に増えた。
  • 残業が月10時間減った、年休消化が年10日増えた
  • 集計に係る業務が月20時間減った。
ユーザーの温度差の違い

私はkintone大好きだけど、kintoneの良さをなかなか分かってもらえない。

せっかく導入したらなら、みんなに使ってもらいたいですよね。

あなた1人で難しければ、サイボウズさんの力を借りましょう。

サイボウズさんは定期的にkintone MAGAZINEなどで活用事例を紹介されています。

他にも面白い動画やCMなども作られています。

私も「どクラウドって何?」と同僚から聞かれることがあります。

大きなイベントも年に数回開催されてますので、そちらの参加もおすすめです。

kintoneを推すも良し。

それを生み出したサイボウズという会社を知ってもらうところからアプローチも良しです。

結論

kintoneはできることもあれば、できないこともあります。

しかし、技術は日々進歩していますし、kintoneも毎月アップデートしているので、今日できないことが明日にはできることに変わるかもしれません。

また、プラグインや連携サービス、JavaScriptカスタマイズを使うことで、飛躍的にできることが増える可能性もあります。

kintoneの可能性は無限大です。

お試しでも良いので、導入を悩まれている方は、まずは使ってみることをおすすめします。

こちらから30日間無料トライアルができますよ。

困った時は全国のユーザーが集まるコミュニティ(オフライン・オンライン問わず)で相談してみてください。

この記事のまとめ
  • kintoneにはできることがある一方で、苦手なことやできないことがあります。
  • 機能面と運用面の課題を挙げ、その解決案を提示します。
  • kintoneの前にサイボウズという会社を知るというアプローチもあります。
  • 困った時はお悩み相談できるコミュニティがあります。

ここまで述べた事例はほんの一部です。
あなたの組織に染まることができるkintoneですので、課題も組織によって様々でしょう。

20,000社も導入(2022年3月現在)があれば、使い方も20,000通りですね。
1人で抱えるくらいなら、全国のkintoneユーザーに投げかけましょう。

ぜひコミュニティも覗いてみてください。

運用方法や活用ノウハウを他のユーザーとシェアするならキンコミ
JavaScriptなどのデベロッパー向けはcybozu developer network

koichiさんも時々出現しますよね。

お会いした時はよろしくお願いします。
kintoneをとことん使い倒しましょう!

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