【要注意】kintoneのルックアップ自動更新は本当に問題ない?

ルックアップは他アプリの情報を取得できるので重宝してます。
マスタアプリとの紐づけによく使ってます。
ただ、マスタを更新しても過去に登録したレコードでコピーした情報が自動で変わらない点が少し不便です。

「そんな時はルックアップ自動更新プラグインを使いましょう!」
と言いたいところですが、本当に自動更新してしまって問題ないですか?

自動更新できる便利なプラグインなら使わない手はないのでは?
何かまずいことがあるのでしょうか。

この記事で何が分かる?
  • ルックアップのコピー元情報を更新しても過去に登録したレコードのコピー先情報は自動では変わりません。
  • 過去に登録したレコードのコピー先情報を自動更新するプラグインが複数の会社から提供されています。
  • 自動更新するとまずいケースがあります。
  • レコード一括更新する際も注意が必要です。
目次

kintoneのルックアップとは

kintoneには他のアプリから必要な情報をコピーして取得できるルックアップというフィールドがあります。

例えば、案件管理アプリには顧客情報や商品情報を入力するでしょう。

あらかじめ顧客情報を管理する顧客マスタアプリ、商品情報を管理する商品マスタアプリがあれば、それらの情報をルックアップで取得することができます。

毎回、顧客や商品の細かな情報を手入力する必要がなくなります。

また、ルックアップに指定した値には自動的にコピー元のレコードへのリンク付けがされるため、ワンクリックでコピー元のレコード画面を開くこともできます。

kintoneアプリの中で非常に重宝されるルックアップですが、注意が必要なことがあります。

それは、コピー元の情報を書き換えても過去に登録したレコード内のコピー先の情報は変わらないということです。

ルックアップ更新

先の案件管理アプリを例に、最初に登録したときは顧客マスタからルックアップした住所が「東京都品川区」だったとします。

その後、案件が進行している途中で、その顧客が「神奈川県横浜市」に引っ越しました。

この時、顧客マスタの住所を「東京都品川区」から「神奈川県横浜市」に変えます。

しかし、案件の住所は「東京都品川区」のまま自動的には変わりません。

これを変えるには、案件管理のレコードを編集して再度ルックアップを取得する必要があります。

1人の現住所が変わっただけであれば大した作業ではないです。

しかし、ルックアップコピー元の情報が頻繁に変わる可能性があったり、ルックアップコピー先のアプリが複数あると、この作業が骨の折れるものになるかもしれません。

そこで、巷で提供されているルックアップ自動更新プラグインを使いましょう!ということになるのですが

この記事の本題はそこではありません。

本当にルックアップ情報は自動更新してしまって問題ないですか?

ルックアップ自動更新するとまずいケース

再度、先の案件管理を例にします。

今度は商品マスタからルックアップをします。

2022年1月に登録した案件Xでは、ルックアップした商品が5,000円でした。

次に2022年4月に登録した案件Yでも、ルックアップした商品が5,000円でした。

しかし、案件Yが進行している途中で物価高騰により、商品が10,000円に値上がりしました。

ここで、商品マスタの商品の価格を5,000円から10,000円に書き換えます。

ルックアップが自動更新されると、案件Yにある商品の価格が10,000円に変わります。

ここまでは問題ありません。

しかし、同時に案件Xにある商品の価格も10,000円に変わります。

これはまずいですよね。

本来であれば5,000円で販売したという売買履歴が10,000円で販売したことに変わってしまいます。

意図的ではないにしろ、売上金額を水増ししたことになってしまいます。

この他にも過去に登録したレコードの値は不変でないといけないケースは多々あるでしょう。

アプリ利用者はルックアップが自動更新されるかされないかなんてことは意識せず使っているはずです。

データの完全性を保つ意味でも、本当にルックアップを自動更新して良いか否か、アプリ管理者は実業務を踏まえた上でプラグインを適用する必要があります。

レコードを一括更新する際も注意しよう

CSVファイル等でレコードを一括更新する際もルックアップが再取得されることがあります。

更新対象にルックアップフィールドを含めるとルックアップが再取得され、コピー先の情報が最新の情報に上書きされます。

上書きしたくないレコードは一括更新対象から除外するか、ルックアップフィールドを更新対象フィールドから除外するようにしましょう。

この記事のまとめ
  • ルックアップのコピー元情報を更新しても過去に登録したレコードのコピー先情報は自動では変わりません。
  • 過去に登録したレコードのコピー先情報を自動更新するプラグインが複数の会社から提供されています。
  • 自動更新するとまずいケースがあります。
  • レコード一括更新する際も注意が必要です。

ルックアップは非常に便利ですし、自動更新プラグインがあれば更に便利になるケースは多くあります。

但し、むやみやたらに自動更新を適用するのではなく、情報の完全性を考慮して適材適所で利用しましょう。

ルックアップに限らず、アプリ連携する際は登録済みのレコードも気を配らないといけませんね。

こちらの記事では、プラグインを使わずにJavaScriptで特定の条件を満たすレコードのみ自動更新する方法を解説しました。

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